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WWE
2001年以前はWWF (World Wrestling Federation) またはWWWF (World Wide Wrestling Federation)という名称であったが、全く同じ略称のWorld Wide Fund For Nature(世界自然保護基金)に名称の改変を求める訴訟を起こされ敗訴、WWEに改めた(ちなみに現在販売されているオフィシャルなDVD等においては、過去の映像の中で"WWF"の語が発せられた場合、全て"WWE"と訳出されている)。
1999年より株式を公開(当初はナスダック、現在はニューヨーク証券取引所)しているが、株式の約8割をオーナーであるマクマホン・ファミリーと関係者で保持しているために会社の経営権は不動となっている。なお、取引所内で使われる証券コードもWWEである。
歴史WWWF設立以前
ビンス・マクマホンの祖父、ロドリック・ジェス・マクマホンは1925年からニューヨークのMSG(マジソン・スクエア・ガーデン)を拠点としてプロレス、ボクシングの興行を行っていたプロモーターだった。第二次世界大戦前後の一時期はMSGがプロレスの興行を行っていなかったためにワシントンDCを中心に活動。1954年の彼の死後は息子でビンス・マクマホンの父、ビンス・マクマホン・シニア(ビンセント・ジェームス・マクマホン)が興行会社を引継ぎ、1956年からMSGに再進出。激戦区ニューヨークで唯一MSGのプロレス興行権を獲得する。アントニオ・ロッカやバディ・ロジャースをメインイベンターとして興行を行い、格闘技・プロレスの殿堂と呼ばれるMSGの伝統を引き継いだ。1948年に発足したNWA (National Wrestling Alliance) にも加盟、大物プロモーターとして大きな発言権を得た。
WWWF設立〜WWF改称
1963年、ビンス・シニアは同年1月に起きた自派のバディ・ロジャースからサム・マソニック派のルー・テーズへのNWA王座の移動を認めず、3月に試験的に新団体WWWA (World Wide Wrestling Association) を、5月にはNWAを脱退してWWWF (World Wide Wrestling Federation)を設立する。同時にロジャースを初代WWWF王者に認定、5月14日にロジャースを破って王者となったイタリア系のブルーノ・サンマルチノを新団体の絶対的な主人公とした。1970年代前半にはプエルトリコ系のペドロ・モラレス、中頃には再びサンマルチノからスーパースター・ビリー・グラハムへ、70年代終盤から1980年代前半にかけてはボブ・バックランドへと王座ベルトと主人公の座が移っていった。当時のアメリカプロレス界は北部のAWA (American Wrestling Association)、東部のWWWF、南西部のNWA加盟団体を中心に、各地区のプロモーターが暗黙の不可侵条約を結んでいた時代であり、WWWF所属だったアンドレ・ザ・ジャイアントが各地にゲスト出場し、親善大使的な役割を勤めた。1979年にNWAに再び加盟したことを機会に、WWF (World Wrestling Federation) に改称。1982年、大学を卒業後リングアナウンサーやプロモーターをしていたビンス・マクマホンと妻リンダが、不仲であった父親からWWFの親会社キャピタル・レスリング・コーポレーションを譲渡ではなく株式の買収という形で手に入れ、新会社タイタン・スポーツを設立した。
『1984』以降、WrestleMania時代ビンス・マクマホンはWWFの全米進出によるプロレス界の統一を計画、当時AWAに在籍していたハルク・ホーガンを筆頭に、1983年からロディ・パイパー、ポール・オンドーフなど各地の有力選手を次々と引き抜いた。テレビ局からNWAの試合を放送していた枠の放送権を買い取ると、同年12月27日、いきなりNWAの本部が置かれていたセントルイスで興行を行った。以降も次々と他団体へのM&
Aや同様のケーブルTV番組を利用した中継等により事業を大幅に拡大。この一連の侵略行為は旧来のプロモーターから同名の有名SF小説に準えて『1984』と呼ばれた。
1985年には歌手のシンディ・ローパーやホーガンと共に、ロッキー3にも出演したアクションスターミスターTをMTVのプロレス特番に出演させ注目を集めると、同年3月19日にニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンでWrestleManiaを開催。ローパーの他にも元ニューヨーク・ヤンキース監督のビリー・マーチンや元ボクシング世界王者のモハメド・アリ、ショー・ピアニストのリベラーチェらを招き、ホーガンやミスターTをメインで戦わせたこのイベントは約2万2000人の観客を集め、プロレスイベントとしては異例の400万ドルの興行収益をあげた。全米がホーガンを中心としたプロレス・ブームに沸き、この現象はマスコミから「レスリング・ルネッサンス」と称された。さらに2年後のWrestleMania IIIではメインにホーガンvsアンドレ戦を組んでヒューストンのシルバードームに約9万3000人の観衆を集め、全米マット界での一人勝ち状態を誇示してみせた。
ホーガンがプロレスの現場から離れがちになった1988年〜1992年頃はランディ・サベージやアルティメット・ウォーリアー、シッド・ジャスティスやジ・アンダーテイカーらが団体の主役の座を担った。また旧NWAから誕生したWCW (World Championship Wrestling) の絶対王者、リック・フレアーの電撃移籍といった事件もあった。
この頃、会社全体でのステロイド剤流通への関与、それに伴うレスラーたちのステロイド使用疑惑が発覚、FBIによる捜査が行われるまでの事件に発展した。裁判は数年続き、被告としてビンスが出廷する事態となったが最終的には証拠不十分により無罪判決に落ち着いた。だがこの事件の影響は大きく、団体に溢れていたスーパーヘビー級の「筋肉マン」タイプの選手たちは一気にフェードアウトしていく。代わって主役の座を手にしたのは技巧派で体型もナチュラルな"ヒットマン"ブレット・ハートだった。
1993年には「MONDAY NIGHT RAW」(後に「RAW IS WAR」「RAW」と改称)の放送を開始。レックス・ルガー、ディーゼル、レイザー・ラモン、ショーン・マイケルズらが台頭し、ブレットなどと共にニュー・ジェネレーションと呼ばれた。一方、ホーガン、サベージなどかつての団体のスター選手たちの多くはWCWへと移籍し、WCWは徐々にWWFに対抗するほどの人気を獲得していった。
Monday Night War、アティテュード時代
1995年
9月4日、エリック・ビショフが副社長に就任したWCW(オーナーはテッド・ターナー)が「MONDAY NIGHT RAW」の裏番組として「MONDAY NITRO」の放送を開始、両番組の視聴率争いが始まった。WCWはナイトロ第一回放送でいきなり前日までWWFの大会に出場していたルガーを引き抜いて登場させた。これを引き金とし、「月曜夜の視聴率戦争(Monday night war)」と言われる程の壮絶な視聴率合戦が繰り広げられた。
一時期は人気選手の相次ぐ引き抜きやnWoというユニットの大ヒット、無敵のスーパースタービル・ゴールドバーグの大ブレイクなどでWCWがリードし、1996年6月10日から1998年4月13日まで実に83週間連続でナイトロはロウの視聴率を上回った。それに対しWWEは1997年以降、D-Xに代表される悪ふざけやお色気の要素を取り入れたアティテュード(Attitude、態度・感性)路線に切り替え、団体オーナーのビンス・マクマホンとストーン・コールド・スティーブ・オースチンとの抗争で人気を逆転させた(1998年4月13日に二人の初めての直接対決が組まれていた)。
なお1998年後半、理由は不明ではあるが『UFC』に触発されたのか、プロレス団体なのに格闘技色を前面に押し出した『Brawl For All』なる企画も展開していたことがある(優勝はバート・ガン)。無論、この企画は大失敗に終わり、「WWEの負の歴史」とも一部では呼ばれている(ブラッドショーが決勝戦まで進出していたり、控え室にいたスーパースター達には好評だったらしいが)。
プロレス史に残る抗争と呼ばれるオースチンvsマクマホン抗争に加え、WWFはジ・アンダーテイカーやショーン・マイケルズのライバルとしても活躍したマンカインドがその「自虐的」とも評されるスタイルでカルト的な人気を集める。マイケルズは1998年に引退するものの、マンカインドとの連戦を通して若手のザ・ロックとトリプルHが次代の主役の座を掴み一気にスターダムに駆け上った。二人はすぐにオースチンと肩を並べるまでになり、WWFのストーリーはこの三人を中心として動いていく。そこに元オリンピック金メダリストから転身したカート・アングル、WCWから移籍したザ・ジャイアント(ビッグ・ショー)、クリス・ジェリコ、クリス・ベノワらが絡むようになる。1999年夏からはSmackDown!の放送も開始、WWFの優位が徐々に確立されていった。
1999年頃からWCWはストーリーラインの迷走から視聴率が急低下し、もともと組織の統制が取れていなかったこともあり内部崩壊。奥の手としてWWFの脚本を書いていた放送作家ビンス・ルッソーを引き抜くが、それは状況をさらに混沌とさせた。一時期失脚していたビショフが復権するも状況を好転させることはできなかった。2001年1月、第三団体だったECWが経営難から活動停止・破産し、WWEはECWの全ての権利を買い上げ債権を回収。同年3月23日、莫大な赤字を計上して経営破綻したWCWをも買収した。これによって「Monday night war」も終結し、米マット界は事実上WWEの独占状態となった。
Monday night warが繰り広げられた90年代後半は全米で空前のプロレスブームが起きた。しかしこの抗争の間には「モントリオール事件」やオーエン・ハートの事故死など、いくつもの後味の悪い事件も起こっている。
「WCWオーナー」とされたシェイン・マクマホンを中心に、WWFに合流した旧WCW、ECWの選手たちによってWCW・ECW連合軍アライアンスが結成されるも、この抗争はWCWの中核選手不在により振るわずフェードアウトしていく。
11月18日にダッドリー・ボーイズによりWWFタッグ王座とWCWタッグ王座が統一(初の同時王者はアンダーテイカー&
ケイン)、12月9日にはクリス・ジェリコによってWWF王座とWCW王座が統一され、WWF統一王座が誕生した。 WWE時代WCW、ECWといった競争相手買収後は、逆に競争相手不在によりWWE自体の観客動員や視聴率が上がるどころか苦戦を強いられるようになった。2002年には長年にわたるWWF(世界自然保護基金)との名称を巡る裁判に敗れ、5月5日団体名をWWEへと改称(公式発表では「よりエンターテイメントを追求するための改称」とされる)。ささやかな抵抗として「Get the "F" out(Fなんかいらない)」キャンペーンを展開した。大文字の「F」が意味するのは言わずもがな、である。同時に親会社タイタン・スポーツの名称もWWEに統一した。
2001年末には団体の共同オーナー(シェインとステファニーから団体の株式50%を購入した、という設定)としてリック・フレアーが、2002年のWrestleMania X8前にはnWoのメンバーとしてハルク・ホーガンがWWEに復帰、現在に至るまでストーリーでも重要な登場人物となる。元WCW、ECWのレスラーを多く雇用し、一つの番組ではストーリーが賄いきれなくなったことから3月25日に開催されたRAWでビンスGMのSmackDown!、リック・フレアーGMのRAWの間でドラフトを開催。両オーナーがスーパースターを一人ずつ(場合によっては1組)ずつ指名していき、それぞれの番組の専属スーパースターとさせることとなった。時を同じくして、団体の象徴であったオースチンが怪我により事実上の引退、ザ・ロックも映画俳優に転向を計画しリング上から離れがちになる。
2002年の2ブランド分離以降、RAWではトリプルHを中心とした王座戦線を展開。その中でランディー・オートン、バティスタ、エッジ等の有望な世代が成長し新たなメインイベンターとなる。SmackDown!ではレスリング出身のブロック・レスナーが史上最年少でWWE王座を獲得する等大いに期待されたが、NFL挑戦のために退団。その後はWWE王座に縁の無かったエディ・ゲレロ、JBLがWWE王座を獲得。ジ・アンダーテイカー、カート・アングル、ビッグ・ショー、ブッカーT等のベテランも活躍し、王座戦線を盛り上げた。抜群のレスリングセンスとカリスマ性があるランディ・オートンに、子供に人気のあるジョン・シナが徐々にメインイベンターへと上り詰めた。
2004年からはオートン、シナ、エッジ、バティスタ等新世代の時代が始まり、この4人以外にもカリート、Mr.ケネディ、MVP等期待の若手が次々とデビューしている。
ECW復活2006年、Monday Night War時代にハードコア路線でWWF、WCWと興行戦争を行っていたECWがWWE傘下で復活することが決定。2005年に開催されたECW One Night Stand以降、ECW人気が再燃したこともあり、6月13日からはレギュラー放送も開始された。Monday Night War時代にECWを率いていたポール・ヘイマンが番組の指揮を執り、ロブ・ヴァン・ダム(RVD)、サブゥー、サンドマン等90年代の旧ECWの人気選手が参戦したこともあり大きく注目された。しかし、番組復活直後からかつて'''EC"Fuckin'"W'''と評された頃の過激なECWとはまるで違った団体となってしまったことが露呈。旧ECWの名タッグであったダッドリー・ボーイズやライノ、レイヴェンがTNA移籍のため参戦不可となり、人材不足からてこ入れとして旧ECWとは関係の無かったボビー・ラシュリー、ビッグ・ショー、テスト、CMパンク等をメインイベンターとして起用せざるを得なくなる。こういった旧ECWとは関係のないレスラーの起用が旧ECWファンの違和感を誘発させている。また、最近はWWEに初登場する新人のためのデビューの場となることが多く、ある程度芽が出てくると他の番組に引き抜かれてしまい、これといった主力選手がいないことも新ECWの苦戦の原因の一つとなっている。
現在WWEの全盛期を支えていたオースチンやロックは稀にしか登場しないが、オートン、シナ、エッジ、バティスタ等の新世代が主力となり、WWF全盛時から出場しているトリプルH、マイケルズ、テイカー等も変わらずトップを張り続けている。世代交代は着実に進行しているが、クリスチャン、ブッカーT、カート・アングル等トップレスラーの大量離脱やレスラーのドラッグ使用等の課題も多く存在している。最近では上層部がプッシュしているミスター・ケネディ、MVPなどが尻すぼみになることが多い。また、2005年のエディ・ゲレロ・2007年のクリス・ベノワの死去はWWEに大きなショックを与えた。現在米マット界で独占状態になっているWWEに対抗しうる団体はTNA (Total Nonstop Action
)、ROH (Ring Of Honor) 等。中でもTNAは元WWEのジェフ・ジャレットが立ち上げた団体で、元WWE選手(カート・アングルなど)や元WCWのスターが多く所属している。現在「TNA iMPACT!」の放送を2007年秋より、2時間放送に拡大して放送したこともあり、その成長が期待されている。
特徴プロレス団体としてのスタイルは、完全にドラマ仕立てのショープロレスで、試合における技の美しさや流れよりも、ストーリーの流れの方が注目されることが多い。しかし試合そのものはプロレスの基本に忠実な正統な展開を好み、あまり大技を使わずに試合を構成できる実力派の選手も多い。一方では凶器有りのデスマッチを得意とする者もおり、単にストーリーだけの団体ではない。
WWEが株式上場する以前は、「シナリオなど存在しない」という建前であったが、株式上場の際、事業内容を公開するにあたってシナリオ(アングル)の存在を公式に認めた。またプロレスリングという言葉は一切使われず、「スポーツ・エンターテイメント」という用語が使われる(シナリオの流れは「ソープオペラ(昼ドラマ)」のような、と表現されることが多い)。同様にレスラー達の呼称は「スーパースター」に統一されており、プロレスラーという単語は使われない。また、レスリングビジネスに関しても「この業界」(This business)と表現し、レスリングとは別のものであることをアピールしている。
主役級のスーパースターは善玉(ベビーフェイス)と悪玉(ヒール)がはっきりと色分けされており、悪玉は観客、地域について罵詈雑言を浴びせ、観客はそれに対してブーイングで応えることを楽しんでいるが、アングルにより、ある日突然役割が入れ替わることも珍しくない。しかし最近ではWWE側がベビーフェイスと設定しプッシュの割に至らない所があるスーパースターにブーイングを浴びせることもある(ジョン・シナなど)。
一部のレスラーの暴走を許したことで運営に大きな支障をきたしたWCWの教訓を生かし、たとえトップレスラーであろうともバックステージでの態度に問題があれば厳しい措置をとっている(ランディ・オートン、カリートなど)。
アングルには下品、流血、色気、暴力、犯罪等ありとあらゆる悪徳が採用されており、当然、多くの者の顰蹙を買い攻撃されているが、それも肥やしにしてしまう強さがある。
WWEにおいて特徴的なのは、時々経営者一族(マクマホン一家)がシナリオに絡むことであり、彼等が登場することで、スーパースター達のみの興行より盛り上がることである。
2000年以降圧力団体のクレームから過激な暴力描写を抑制せざるをえない状況にある。例えば、鉄柱、実況席を使った攻防、イス攻撃や試合外での襲撃シーンその他過激なシーンに自主規制を加えるようになり、以前からのファンから顰蹙を買っている。
ビンスはレスラーではなく御年60歳を超えたにもかかわらず鍛え上げた身体でスーパースター達と抗争を繰り返し、息子のシェインは10m以上の高さからのダイビングを得意としている。娘のステファニーに至っては自身の豊胸手術までもが番組のネタとされてしまったことがある。妻のリンダもCEOの地位にありながら、設定上夫の浮気に傷つき精神障害に陥ったふりをしたり、ケインからツームストン・パイルドライバーを受けたりしている。
登場するスーパースターはレスリングの元金メダリストや義足のスーパースターなど、多彩である。しかし生存競争は激しく、怪我による長期休場や他団体による引き抜き、また人気がなくなると二軍落ちや解雇となり出場そのものができなくなる等、長期間連続で出演できるスーパースターは少ない。
WWEに登場する女性はディーバ (DIVA) と呼ばれ、マネージャーからレスリングまで行う。
日本人レスラーとしては、WWF時代にブル中野が女子王座を獲得するなどトップレスラーとして活躍。2000年以降、タジリというレスラーが非常に有名であったが、2005年12月12日に自ら退団した。その他にも、2004年から2005年にかけて夫婦で活躍した鈴木健三や、現在WWEに所属する日本人選手としては、1997年から活躍しているフナキが有名である。
WWEのスーパースター達の社会的地位は高く、大統領選の応援演説にレスラーが駆り出されたりする。また、WWE自体が社会貢献のために軍の慰問や投票率アップキャンペーン等に積極的に協力している。
政治思想的には極右色が強く、アメリカのイラク攻撃に賛同し、アメリカ軍の駐屯地へ赴き慰問興行も行っている。アメリカに敵対する国に対する当てつけとして、その国に倣ったギミックの選手がヒールとして登場することも多い。湾岸戦争の際はサージェント・スローターがフセインの友人というギミックで登場し、イラク戦争の際にはイラク攻撃に反対したフランスに対する当てつけとして反米フランス人ギミックのラ・レジスタンスが登場し、数年後には同時多発テロ以降差別に苦しむアラブ系アメリカ人のモハメド・ハッサンが登場した。
ただしこの手のギミックはアメリカではファンの憎悪を集めるが、反米感情の強い国ではある種、正論とも取れるため人気を獲得し難い。
一方リンダ・マクマホンがイラク戦争に当初から個人的に反対していたり、反米ユニットが番組内のディベートで事実上勝利してしまう(結局はうやむやになるが)など経営陣は決して一枚岩ではないことが伺え、どちらかといえばビジネスのため政治思想をはっきりさせる、というのが実情のようである。
WWEへのデビュー新規に番組に出演する方法としてはレスリングやボディビル等の他のスポーツからのスカウト、他団体からの移籍、またはタフイナフやディーバサーチという番組内の新人発掘コーナーや、不定期に行われるトライアウトで優勝または合格、もしくは才能が認められる必要がある。こうしてWWEとの契約に至っても、そのほとんどはDevelopment Deal(育成契約)であり、すぐにRAW、またはSmackDown!に登場するのは稀である。ほとんどの場合FCW(Florida Championship Wrestling)というWWEのDevelopment Systemを担っているインディー団体でトレーニングや試合を行ってからRAW、SmackDown!でのダークマッチ(TV放送されない試合)に出場し、認められたらRAW、SmackDown!、ECWのどれかの番組でデビューするという方式がとられている(最近は一部の有望選手を除いて、ECWでデビューするケースが増えている)。もっともDevelopment Dealにサインしたからと言って、WWEへの登場が保証されている訳ではなく、途中で解雇されることもあり得る。また育成期間も予め決まっている訳ではない。
このような育成機関ともいえる団体としては、2005年8月から2007年4月まではDSW、2000年から2008年2月まではOVWがあったが、契約を解消したと同時にFCWを新しく設立している。OVW出身のスーパースターは多く、バティスタ、ジョン・シナ、ユージン等が挙げられる。また、これらの団体ではケガをしたスーパースターのリハビリやギミック(キャラ設定)がうまくはまらなかったスーパースターのギミックの練り直し等にも使われることがある。
なおFCWにはそれぞれWWEのDevelopment Systemとは関係のない独自に契約を結んでいるレスラーもいる。彼らはNon-WWE-Talentとも呼ばれている。
またUPW (Ultimate Pro Wrestling) というインディー団体もDevelopment Systemの一翼を担っている。この団体は前出の3団体とは異なり、Development Dealにサインしたレスラーを引き受けて育成するのではなく、WWEのオフィシャルタレントスカウトが所属レスラーからスカウトをするという方式がとられている。またペイパービューイベントなどでの重要な脇役の供給源でもある。
UPW出身のスーパースターは、シルベスター・ターカイ、マーティー・ルバルカーダが挙げられる。
スケジュールWWEのスケジュールは、基本的には毎週月曜日に「RAW」の生放送と前座番組の「HEAT」の収録。毎週火曜日に「ECW」の生放送と「SmackDown!」の収録を行う(海外ツアーなどが直後に開催される場合はRAWも収録になる)。収録されたSmackDown!は毎週金曜日に放送される。HEATは2005年までテレビ放送されていたが、2006年現在はWWEの公式サイトから配信されている(ただし日本ではテレビ放送されている)。この他に週に何回かのテレビ収録のない興行(ハウスショー)を開催し、月に一度PPV(ペイ・パー・ビュー)形式で特番興行を行う。
PPV興行は2002年までは年12回行われていたが、2ブランド制への移行により2003年からRAW、SmackDown!単独開催の場合と両ブランド共催の二形態になり、2005年からは14本、2006年はECWも含めて16本に増えた。しかし、その多さゆえシナリオがきちんと成り立っていなかったり、またレスラーの疲労も激しいため2007年は計15本、3ブランド共催の形になった。そのPPVの中で歴史ある4つのPPV(Royal Rumble、WrestleMania、SummerSlam、Survivor Series)をBig Four(ビッグ・フォー)と呼び、その中でも最大のイベントがWrestleManiaであり、2008年に24回目を数えた大興行である。PPVはWWEにとって大きな収入源となっており、通常その様子の動画は一般放送では流されない。
2006年時点での番組の特色としては、RAWはアングル重視、SmackDown!は試合重視、ECWは過激さ重視と言える。チャンピオンシップは各番組毎に「ヘビー級シングル王座」と「タッグ王座」があり、その他に「RAW」は「女子王座」と「IC(インターコンチネンタル)王座」、「SmackDown!」には「クルーザー級(他団体でのジュニアヘビー級に相当)王座」と「US(ユナイテッドステイツ)王座」、「ECW」には「ECWヘビー級王座」のみがある。同等の王座を比較すると、歴史が長い「RAW」の方が位置付けが高い(クルーザー級王座は現在廃止された)。
先に述べたPPVはそれぞれの番組の主催、それに共催という三種類の形態をとっていたが2007年からはPPVは全て3ブランドの共催に変更された(Backlashより)。WWEが拡大していく過程でECW、WCWといった他団体を併合してきたため、所属スーパースターが多くなり過ぎたこともあり、現在ではスーパースターは「RAW」か「SmackDown!」か「ECW」どれかの所属となっており、トレード、またはドラフトが行われることもある。
「HEAT」といった番組では、新人レスラーや養成中のレスラーなどの試合(アンダーカード)も放送されている。
マッチメイクは「カード」よりも「興行」に価値が置かれ、特番以外の通常興行やハウスショーでもタイトルマッチや「黄金カード」と呼ばれるようなエース級のスーパースター同士のシングルマッチが平然と行われる(ただしハウスショーでのタイトル移動はほぼ皆無であり、「PPV等の大一番に向けての公開リハーサル」という見方もできる)。WWEでは同じカードでも「誰と試合を行うか」よりも「何処で試合を行うか」が重要視されているためであり、その最高峰としてレッスルマニアが位置付けられている。このような考え方はビッグマッチまでカードを温存する日本のプロレスとは大きく異なる。
日本との関係NWA内での同じ反主流派ということもあり、1975年頃から新日本プロレスと協力関係を持ち、団体同士の提携を結び、当時のトップレスラー達の派遣や王座の認定等、積極的に関わっていた。だが、ビンス・マクマホン・ジュニアが実権を握ってからは、高額な提携金を要求し、支払ったにもかかわらず、トップレスラーの派遣を渋るなど、徐々に新日本プロレスとは疎遠となっていった。
新日本プロレスとの提携解消後、特定の団体とは提携を結ばなかったが、1990年には新日本プロレスおよび全日本プロレスの3団体合同で東京ドーム興行「日米レスリングサミット」を開催した。その後はSWSと提携を結び、幾度かの合同興行を開催したり、レスラーを送り込んでいた。
この頃、単独での日本進出を目論んでいたこともあり、日本のプロレスマスコミには好意的で、アメリカのマスコミでも入ることができなかったリングサイドでの取材(ただし2007年になり番組が全てHDTVで製作されるようになると、リングサイドでの取材は突如禁止となった)や、マクマホン本人が日本向けにテレビインタビューに出演する等、積極的に協力している。
1994年には「マニアツアー」として横浜・大阪・名古屋・札幌で単独興行を行ったが、当時のWWFとは関係ない日本人レスラーの出場や、バックステージの趣向を凝らさなかった事、本場の様な豪華なセットを組まなかった事、それにプロレスの興行を扱った事のない興行会社がプロモートを行った事などがあり、直輸入を期待していたファンからの支持が得られず、興行成績も振るわず、2002年に再上陸するまで自社の手による興行は行われなかった。
日本国内でのテレビ放送はJ SPORTSが担当している。また、PPV特番はパーフェクト・チョイスで放送されるが、いずれも権利料の高さから3週間遅れでの放映となる。字幕翻訳は株式会社ルミエールhttp://www.lumiere-inc.jp/が担当しており、ザ・ロックの「ロック様いわく」からのしゃべり出し・エディ・ゲレロの「オイラは〜だっての」口調・ダッドリー・ボーイズの広島弁などレスラーのキャラクター性を強調した字幕には定評があり、レスラーの人気獲得にも一役買っている。
地上波では1980年頃、「WWFスーパープロレス」というタイトルで放映されており、ストーリーのダイジェストと試合を放送していた。斎藤文彦と土井壮コンビが吹き替えでもなく、全くリアルタイムで見ているかのような実況と解説を行っていたのが特徴。2001年10月から2002年12月までテレビ東京が深夜枠で放送。当初は『ライブワイヤー』を放送していたが、本国での同番組の終了以降は『アフターバーン』を放送した。マイクアピールを除く、試合の実況解説などを字幕ではなく日本語吹き替えで対応したことが大きな特徴といえる。なお、英語圏以外の国でのWWEの番組は吹き替えが一般的である。
テレビ東京での放送終了後、2003年4月から2005年3月まではフジテレビが関東ローカルの地上波で放送した。(J SPORTS協力の元、新たに字幕スーパーや日本語ナレーションを追加。)現在でもWWEが映像の編集を外部の会社に許可したのはフジテレビだけである。
2004年3月までは、実況に佐野瑞樹。解説にDDTの高木三四郎。
2004年4月以降は、三村ロンドと「Mrビーフジャーキー」ことブラザートムが担当。
多くのライト層の新規ファンを獲得したが、マニア層のファンの評価は極めて低かった。理由としては佐野アナのプロレス実況特有の技術や技名などの知識の不足、MC役の千野志麻アナウンサーのWWEに関する全くの無知(ポール・ヘイマンが復帰した際には「誰ですかこのおじさん?」と大声で発言)などが上げられる(千野アナに関しては新規ファンと同じ目線で、という局側の意向もあった)。また番組放送末期に行われた日本初のテレビショーでは、アリーナ席最前列のテレビカメラ正面という最高の席を番組のキャスト・スタッフで占拠したこともマニア層の多くのファンから嫉妬や反感を買った。しかし、フジテレビが放送を中止した後、ライト層のファンを失ってしまい、2005年、2006年のWWE日本公演(後述)の観客動員数は大幅に減少、結果として2007年の日本公演は見送られたが、2008年1月、日本でのマーケット強化を目的に、日本法人WWE Japanを設立。同社より2008年2月に再び日本公演が開催されることが発表された。
2005年に開催されたWrestleMania 21では元横綱の曙が特別出演し、sumo matchを行った。
J SPORTSでの放送以降、他のスポーツを視聴することが目的でJ SPORTSを視聴した視聴者がWWEのファンになることが多く、一般的なプロレスファンとは異なるファン層を獲得している。特に団体外の要素が団体内に絡むことが嫌われる傾向にあり、来日公演では
などのエピソードがある。
細かい動きにも賛辞を送る日本人ファンに対するレスラーの評価は高いといわれている。来日回数が豊富なリック・フレアーも「アメリカのファンはショーとして見るが、日本のファンはスポーツとして見る」と語るほどアメリカとは別の要素が求められることを強調している。
現在所属中の日本人過去所属した日本人
日本での放送スケジュール2008年現在では地上波放送はなくスカパー!やケーブルテレビなどのJ SPORTSを視聴するしかない。
映像権などの事情により日本では3週間遅れての放送となる。そのため、ハウスショーが日本で行われる際にチャンピオンが違っていたり、日本の放送スケジュール上まだ登場していないスーパースターが試合をすることもある。現在WWE Japanでは、この3週間の「ディレイ」を短縮するべく交渉中。
また、日本ではRAWの3時間のスペシャル番組は編集で2時間にされ、年に2、3回行われるSaturday night main eventは放送されていない。
過去に放送されていた番組
2002年以降の日本興行
2002年の再上陸以降は、ハウス・ショーが中心の興行である。2005年2月4日 (RAW)・5日 (SmackDown!)にさいたまスーパーアリーナで、アジア初、世界では3カ国目となるテレビ収録試合が開催された。いつもは当日生放送(海外からの収録でも時間差で当日放送)するRAWも史上初の収録試合となった。2007年を除き、2008年まで毎年日本興行が開催されている。
WWEのオフィシャルCDアルバム
WWEのTVゲームWWEのPPV特番前記の通りWWEでは月に1度特番を行うが、RAW単独、SmackDown!単独、ECW単独、3ブランド共催など大会によっての違いが決められていた。近年のPPVの視聴率低迷により2007年のBacklashよりすべてのPPV特番を3ブランド共催に変更。
基本的に毎年行われる大会は決まっているが、特別に組まれるPPVや現在は行われていないPPVも存在する。
以下の14大会は今年(2008年)に行われる予定のPPV大会。日付は現地時間。
日本でのPPV特番放送J SPORTSでの通常放送と同じく3週間遅れての放送。
スカパー!ではスカチャンでのPPV放送となる。初回放送は木曜日。
ケーブルテレビJ:COMではJ:COMオンデマンドにて放送。配信開始は金曜日。
視聴料金は4大PPVのロイヤルランブル、レッスルマニア、サマースラム、サバイバー・シリーズは2,100円/番組。
その他は1,575円/番組。また、スカパー!、e2 by スカパー!にて上記の1年間開催されるPPVを全て視聴できるパックセットも販売されている。(WWEスペシャルリングサイド2008:14,700円/一括払い)
タイトルホルダーWWEが管轄するベルトの保持者
RAW
Friday Night SmackDown!
ECW
特別な試合の勝者
興行の特徴試合形式WWEでは、多彩な試合形式が行われる。WWE発祥の試合形式も存在する。
ディーバ関連の特殊な試合形式も存在する。
観客参加型興行WWEでは、興行の楽しみ方のキーワードとして、「観客参加型」を提唱。主に、次の4つが主流となる。
所属レスラー (THE WWE SUPERSTARS)現在、過去にWWEに所属していた人物についてはWWEに所属する人物一覧を参照してください。
スーパースターの関係WWEではアングル上、スーパースターの兄弟や夫婦、親戚といった設定が出てくるがもちろん全てが真実な訳ではない。特に、1980年代後半からタッグチームの多くに兄弟、親戚のギミックが頻繁に設定された。ただし、実際の人間関係がストーリーに絡むことも多く、そこにこの団体を楽しむ醍醐味がある。
かつて認定していた王座かつて、新日本プロレスと提携していた時代、新日に対して様々な王座を認定していた。一時期はあまりにもベルトの数が増えすぎたためなくなったものや、シナリオ上必要であったが自然に消滅したものなど様々な形で消えていった。
※については、主に新日本プロレスで使用された王座。Light Heavyweight Championshipに関してはメキシコ版と呼ばれた王座と、後に新たに認定された王座が存在する。また、International Heavyweight Championshipに関しては新日版とUWF版が存在する。
関連項目外部リンク
*WWE
---------------------------------------------- 出典:「フリー百科辞典ウィキペディア」(2009-01-01)
Text is available under GNU Free Documentation License.
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