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記者クラブ
各団体から独占的に情報提供を受ける。記者室の空間及び運営費用は原則各団体が負担・提供し、記者クラブが排他的に運営を行う。英語では、該当組織が存在しない為kisha clubと言う。日本の報道の閉鎖性の象徴として、内外から批判されている。
特色
|url=http://www.j-cast.com/2008/12/30032953.html
|title=記者クラブという「鎖国」制度 世界の笑いものだ(連載「新聞崩壊」第1回/フリージャーナリストの上杉隆さんに聞く)
|work=J-CASTニュース
|publisher=ジェイ・キャスト
|date=2008-12-30
|accessdate=2008-12-30
}}にしか無いとされる。かつて日本に併合されていた韓国にも存在したが、既に廃止されている(#世界の「記者クラブ」で後述)。
歴史
|author=徳永裕介
|authorlink=徳永裕介
|url=http://news.livedoor.com/article/detail/1777753/
|title=LDニュースのクラブ加盟却下
|work=ライブドア・ニュース
|publisher=ライブドア
|date=2006-03-15
|accessdate=2008-11-21
}}。
実態フリージャーナリストの上杉隆は記者クラブの実態を次のように述べている。
上杉が国会で取材していると、異なった会社同士の記者が取材メモを見せ合っていたという。上杉はこの「メモ合わせ」という行為は談合であると批判している。
また、上杉は記者クラブに加盟できないフリージャーナリストや雑誌記者にも記者クラブを存続させてきた責任があると指摘している。彼らの記事と言えども、実は記者クラブメディアの情報で成り立っている部分が少なからずあり、例えば、雑誌の政治記事の多くは記者クラブメディアの未使用の情報、言い換えれば「お零れ」にあずかっているのは紛れも無い事実だという。ある意味、持ちつ持たれつの関係なのである。
評論家の立花隆が田中角栄の金脈問題追及を『文藝春秋』で大々的に行えたのも実は記者クラブ制度があったからであり、記者クラブ制度が無かったらとうの昔に新聞記事になっていたのではないかという。立花も『アメリカジャーナリズム報告』で、記者クラブ所属記者から情報を得ていたことを遠慮がちながら認めている。
記者クラブ制度による自主規制をよしとしない記者はどうにかして情報を伝えようと、自主規制の酷い新聞・通信社・テレビなどの自社媒体ではなく、雑誌メディアなどに情報を流したり、匿名で記事を書いたりしているのだという。上杉はもうこの種の談合は止めて、お互い同じ土俵に立って切磋琢磨すべき時期に来ていると主張している。
記者クラブの利点と弊害存続派の主張
廃止派の主張
|author=小林雅一
|authorlink=小林雅一
|title=隠すマスコミ、騙されるマスコミ
|origyear=2003
|origmonth=5
|publisher=文藝春秋
|series=文春新書
|isbn=9784166603183
}}。
|author=池田信夫
|date=2008-11-23
|url=http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/1db85ab549339d0f9665bf8723d264d3
|title=警察ネタの過剰
|work=池田信夫 blog
|accessdate=2008-12-07
}}。
会員制記者クラブは会員制である。その理由を日本新聞協会は「公権力の行使の監視と公的機関に真の情報公開を求めていく社会的責務という重要な役割を果たす事。報道という公共的な目的を共有する事。記者クラブの運営に一定の責任を負う事。報道倫理の厳守を保つため」だと説明している。
具体的には「日本新聞協会加盟社とこれに準ずる報道機関から派遣された記者など」が上記の条件に合致するとされ、「記者クラブは記者クラブの構成員や記者会見出席者が適正かどうか、判断しなくては」ならないとしている。
しかし、単なる任意団体にすぎない記者クラブの会員である事が、なぜ公的機関に対する記者会見への出席権や記者室の使用権とつながるのか、またそれをいかなる法的な根拠に基づいて、公的な機関が尊重し、税金を使って維持しているのかは世界の不思議である。
日本新聞協会はその理由を「記者クラブは公権力に情報公開を迫る組織として誕生した歴史がある」として、既得権益だと説明している。
記者クラブの擁護派からはフリーの記者は売名目的で歪曲報道をするので、それを防止するためだという声が聞かれる。批判派からは情報の公示や登録制の記者会見で十分だとする声がある。
欧米では「記者証」制度が普及している。記者証を持っていれば、少なくとも公的機関の記者会見には出席できる。これも一種の事前審査だが、出版機関の社員であると証明すればもらえるので日本のように参入障壁にはなっていない。ただし、欧米にも権力側と有力メディアとの間には「インナーサークル」的な情報交換の場があり、記者会見とは違う非公式な場での発表が行われている。存在する公にされていない点で、記者クラブ以上に閉鎖的な情報提供方法と言える。
日本では取材対象ごとに数百もの記者クラブが割拠・乱立し、記者クラブごとに取材利権を持ち、審査基準も既存の参加者の同意と言った不透明なものである。諸外国からの批判を受け、日本国外プレスの参加は多くのクラブで認められている。また、日本新聞協会は2004年から、外国人記者に限って「記者証」制度を認めつつある。しかし、末端の記者クラブがそれを認めるかどうか保証は無い。
記者会見日本の記者会見の特徴は公的機関が報道機関向けに行う発表は通常、記者クラブが主催する事である。
その理由は「情報開示に消極的な公的機関に対して、記者クラブという形で結集して公開を迫ってきた」」歴史的な経緯がある事。公的機関が主催する会見は一方的な運営がなされるとの疑念を抱いている事が挙げられる。
日本新聞協会は公的機関が主催する会見を否定しないという立場だが、各記者クラブは記者クラブが主催する記者会見以外を事実上、認めない。また会見場を私物化する動きもある。
記者会見の問題点は記者クラブのメンバー以外は幹事社の承認がなければ参加できない事である。記者クラブが主催する記者会見には日本新聞協会に加盟していない週刊誌の記者やフリーライター、日本以外の報道機関は参加の際、幹事社の事前承認を求められている。
外国人記者の排除と外圧外国人記者を排除する記者クラブの評判は非常に悪い。
EU特に、EU(欧州連合)は記者クラブを非貿易関税によるマスコミ産業の排他的保護主義政策であると批判した。
これに対して日本新聞協会は外国人記者を各々の記者クラブへ加盟させる事で対応しようとした。1993年、「外国報道機関記者の記者クラブ加入に関する日本新聞協会編集委員会の見解」を発表した。外国人特派員協会加盟社は新聞協会加盟社を同等に扱うとの方針を打ち出した。1990年代後半にロイターが兜クラブの加盟を認められた。以後、ブルームバーグやダウ・ジョーンズなども大半のクラブに常駐または非常駐で加盟し、幹事業務にも部分的に携わった。
しかし、警察関係を中心に記者クラブによっては加盟が認められず、2000年、英国人女性失踪・殺害事件において警察での記者会見に出席できなかった。また、2002年、小泉首相の北朝鮮訪問の際、同行取材を拒否された。
これに対してEUは2003年10月、『日本の規制改革に関するEU優先提案』「ジャーナリズム:情報への自由かつ平等なアクセス」で、「記者証」制度の導入と記者クラブの廃止を求めた。優先提案「a. 外国報道機関特派員に発行されている外務省記者証を、日本の公的機関が主催する報道行事への参加許可証として認め、国内記者と平等の立場でのアクセスを可能にすること」「b. 記者クラブ制度を廃止することにより、情報の自由貿易にかかわる制限を取り除くこと」である。
日本新聞協会は2003年12月、「記者クラブ制度廃止にかかわるEU優先提案に対する見解」を発表した。歴史的な背景を主張して既得権益を正当化し、「多数の記者クラブでは、外国報道機関に門戸を開放している」「不満は、実はもっぱら公的機関側の姿勢や記者側のアクセス努力の問題である」と言う主張だった。EUも「日本新聞協会の見解に対する駐日欧州委員会代表部のステートメント」で回答した。歴史的な背景や文化的な差異は認めるが、それを口実にして、記者クラブを外国人記者の排除の為に悪用する事は許さなかった。また記者クラブへの加入が「第一義的な目的ではない」とされ、日本新聞協会の記者クラブ門戸開放政策は否定された。
これに対して日本新聞協会は2004年3月、「外国記者登録証所持者の定例記者会見への参加に関しご協力お願いの件」を発表した。外国人記者の「記者証」制度を実質的に認めた。
2004年の『日本の規制改革に関するEU優先提案』では、記者クラブの廃止は取り上げられなかった。しかし記者クラブに対する監視は続けられている。
国境なき記者団「国境なき記者団」も記者クラブ制度を問題視している。国境なき記者団は、言論の自由やジャーナリストの権利を守るための活動をしているジャーナリスト団体である。同団体が毎年発表している「報道の自由度のランキング」で日本が、先進国最低レベルの40位付近に低迷している背景には、記者クラブ制度があるとされている。
2002年、国境なき記者団は日本政府に対して、記者クラブの廃止を求めた。
発表報道と情報操作古くは情報操作のために実弾が飛び交った時代があった。
発表報道が横行し、官報接待などの癒着が進む中で、記者自身が自主規制をする事もあった。
記者の立場を超えて、情報操作に加担する事もあった。
|author=粟野仁雄
|authorlink=粟野仁雄
|year=2005
|month=11
|title=滋賀県警の「ガサ」入れ ついに記者クラブまで
|journal=週刊金曜日
|issue=582
|publisher=金曜日
|url=http://www2.kinyobi.co.jp/pages/vol582/mokuji/view
|accessdate=2008-11-21
}}。
官報接待「官報接待」の問題が指摘されている。記者クラブは政治家や役人と懇親会(忘年会・暑気払い・送別会)を開く事が多いが事実上、官僚から報道機関に対する接待と化している。官側が私費からではなく公費から出費している事例があることも批判を強める要因になっている。
記者クラブ側も問題は認識しており、「官報接待に関する見解」(1996年。新聞労連新研究部)や「官報接待に関する共同通信労組新研究部試案」が出ている。
記者クラブ廃止の動き1990年代、記者クラブの見直しが始まった。都道府県レベルでは改革や廃止の動きがあった。
政党
2002年、当時民主党幹事長だった岡田克也がスポーツ紙や週刊誌や日本国外報道機関などのあらゆるメディアが会見に参加できる方式を導入した。それまでは野党クラブ以外のメディアが会見に参加することが出来なかった。
中央官庁地方公共団体
1996年
4月、神奈川県鎌倉市は全国紙や地元紙の神奈川新聞など6社でつくる「鎌倉記者会」に市役所内の記者室を使わせるのを止め、その場所を市に登録した全ての報道機関が利用できる「広報メディアセンター」として開放した。当時の市長・竹内謙(元朝日新聞編集委員、現・インターネット新聞JANJAN代表)の「一部の報道機関でつくる記者クラブが、税金で賄う市の施設を独占するのはおかしい」という考えによるものであった。
2001年
6月8日、東京都は都庁内の鍛冶橋・有楽記者クラブに対し、同年10月からクラブ及びスペースの使用料を支払うよう申し入れたが、後にこれを撤回し、光熱・水費と内線電話代に限って徴収することになった。また、石原慎太郎東京都知事は週刊誌や外国報道機関が会見に参加できないことについて疑問を呈している。
2007年
5月11日、東国原英夫宮崎県知事は定例記者会見で、「記者クラブという存在は、先進国では日本だけ」であると述べた上で、現行の県政記者クラブの在り方を見直すべきとの問題提起を行った。この直後、読売新聞など一部メディアでは否定的見解を表明した。
業界・経済団体
1993年
6月、東京証券取引所記者クラブである「兜倶楽部」はこれまで加盟資格は日本の報道機関に限られていた規約を改正して、新たに「日本新聞協会加盟社に準ずる報道業務を営む外国報道機関」と付記し、事実上、日本国外報道機関にも門戸を開放した。
1999年
3月、経団連機械クラブが廃止。この記者クラブは電機、造船、半導体、自動車など取材拠点として運営されていたが、家主の経団連側が退去を要求。報道側と発表主体企業側とでクラブ存続の方策が議論されたが、打開策が見つからないままクラブは消滅した。
この背景には電機メーカー側はオープンな記者会見を行い、ニュースリリースもメールを利用していたので、クラブを使うメリットが少なかったからと言われている。一方、自動車業界はクラブを存続させるため、日本自動車工業会の中に「自動車産業記者会」を設置したが、朝日、読売、毎日、日経が参加を拒否し、事実上、記者クラブとして機能していない。
1999年
7月、日本電信電話(NTT)の記者クラブ「葵クラブ」がNTTの再編に伴って廃止。葵クラブについてはかねてから一民間企業に記者クラブがあったことについての問題が指摘されていたが、NTT再編を機に報道各社で作る経済部長会が葵クラブを記者クラブとして認めないことで一致。一方、NTT側もクラブ加盟社以外の雑誌や日本国外メディアに記者室を開放する狙いからクラブの廃止を受け入れた。
長野県の「脱・記者クラブ宣言」
2001年
5月15日、前長野県知事・田中康夫は「脱・記者クラブ宣言」を発表した。県庁にある3つの記者室を閉鎖し、誰でも利用できるプレスセンター「表現道場」(後に「表現センター」に改称)を設置し、会見を記者クラブではなく県主催で行うというものだった。大手マスコミの情報独占の停止と記者室の無償提供などの便宜供与の停止が目的だったが、大手マスコミは激しく反発し、以後、県内外の大手マスコミとの確執を生んだと言われている。特に『信濃毎日新聞』は田中から執拗に質問を受け、信毎は「記者会見に名を借りた糾弾だ」と抗議していた。
2006年
10月3日、現知事・村井仁は「表現センター」を「会見場」に名称を変更することを発表した。また、田中時代と同様に一般の人も申し込めば会見に参加できるようにするとしている。会見は県主催なので、参加に制限はない。マスコミ各社は初回の会見をはじめ、数度にわたり、記者会見のあり方について村井に質問しているが、村井はこれは記者会見ではなく会見であると訂正した上で、市民の自由な参加を確保しつつ、ほとんど全ての方の質問に答え終わるまで続ける運用を変えないと表明している。
主な記者クラブ下記以外にも、都道府県庁など各所に記者クラブは存在する。
世界の「記者クラブ」諸外国も政府首脳の取材は全くの自由ではなく、事前審査に合格した記者に記者証を発行することなどで制限している国がほとんどである。少し前の北欧諸国では政府首脳とメディアの距離が非常に近かったが、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件以降は暗殺の対象となる危険性が高まり、現在では国家元首への自由なアクセスは認められていない。
|author=渡邉正裕
|authorlink=渡邉正裕
|url=http://www5a.biglobe.ne.jp/~NKSUCKS/kankokukaikaku.html
|title=『輸出先』韓国で先行する記者クラブ改革
|work=まだ旧体制下の新聞と月極契約している人たちへ
|accessdate=2008-11-21
}}。
脚注関連項目参考文献
|author=編集委員会
|date=2006-03-09
|url=http://www.pressnet.or.jp/info/seimei/shuzai/0201kishaclub.htm
|title=記者クラブに関する日本新聞協会編集委員会の見解
|work=取材と報道
|publisher=日本新聞協会
|accessdate=2008-11-24
}}
|author=岩瀬達哉
|authorlink=岩瀬達哉
|title=新聞が面白くない理由
|origyear=2001
|origmonth=9
|publisher=講談社
|series=講談社文庫
|isbn=9784062732857
}}
|author=筑紫哲也
|authorlink=筑紫哲也
|title=ニュースキャスター
|origyear=2002
|origmonth=6
|publisher=集英社
|series=集英社新書
|isbn= 9784087201451
}}
|author=田中良紹
|authorlink=田中良紹
|title=メディア裏支配--語られざる巨大マスコミの暗闘史
|origyear=2005
|origmonth=3
|publisher=講談社
|isbn=9784062128346
}}
|author=柴山哲也
|authorlink=柴山哲也
|title=日本型メディアシステムの興亡--瓦版からブログまで
|origyear=2006
|origmonth=6
|publisher=ミネルヴァ書房
|series=叢書・現代社会のフロンティア
|isbn=9784623046089
}}
|author=村上玄一
|authorlink=村上玄一
|title=記者クラブって何だ!?
|origyear=2001
|origmonth=11
|publisher=同朋舎
|isbn=9784810427271
}}
|author=上杉隆
|authorlink=上杉隆
|title=ジャーナリズム崩壊
|origdate=2008-07-30
|publisher=幻冬舎
|series=幻冬舎新書
|isbn=978-4344980884
}}
---------------------------------------------- 出典:「フリー百科辞典ウィキペディア」(2009-01-01)
Text is available under GNU Free Documentation License.
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