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ネットブック
)]] ネットブック: Netbook)とは、HTMLで記述された文章や画像(静止画)を主体とするウェブサイト上のコンテンツ閲覧や電子メールチャット程度の簡単かつ基本的なインターネット上のサービスを利用することを目的とした、安価で簡易的なノートパソコンおよびそれが属するカテゴリーのこと。
  • 関係する呼称には、デスクトップ機種における同様の目的での利用を主眼としたネットトップ: Nettop)がある。本項では便宜的に双方を説明する。

概要

ネットブックおよびネットトップは、2008年の3月に開催されたCeBIT2008から市場を賑わせ始めた一連の廉価版で機能が最小構成ながら小型軽量な、また加えて安価ながらもパーソナルコンピュータ(ノートパソコン/デスクトップパソコン)としての機能を備える製品のカテゴリーとして利用されるようになった用語である。ただし新興カテゴリーであることにも絡み、あまり一般認識として明確な定義は存在しない。
ネットブックが一般に認識されるようになったのは、2008年3月3日に半導体製品集積回路大手のインテルが、自社製品Intel Atom発表の席で使ったのが最初と見られている。ただしこの時点ではあまり明確な基準は無く、後述するような「インターネット利用に特化した低価格モバイル」程度の意味であった。
意味合いとしては「Net(インターネット)に接続するため(ないし「接続するだけ」)のノートパソコン」ないしデスクトップパソコンのことである。価格帯としては米ドルで300ドル前後より800ドル未満程度、比較的パソコン関係で高値安定が標準的でコモディティ化により一部に安価な価格帯の製品が流通している日本であっても、5万円から10万円未満(2008年現在)というものとなっている。
元々このような分野の先駆けとして、2005年に提唱された発展途上国の教育分野向けへの普及を主眼とするOLPC(俗に「100ドルPC」とも)があり、こちらは廉価で限定的な性能ながら、インターネット端末電子書籍ブラウザとしての機能を併せ持つ。これらの機種は発展途上国の教育分野向けとはいえ、そのモックアップや試作機が発表されるや一部の技術愛好者や熱心なモバイルインターネット利用者の中に、先進国での同機種の発売を期待する声がスラッシュドットなどの技術系ないしハッカー文化に関連するニュースサイトなどで見出せた。
その一方で、携帯性の高いインターネット端末用途としては、マイクロソフトが提唱し2002年に市場に投入されたタブレットPCや、2006年3月9日にマイクロソフトやインテルなどが発表し推進するUltra-Mobile PC(UMPC)というカテゴリーが存在する。ただ、タブレットPCは高価で特殊なパソコンという面が強く普及は進んでいない。Ultra-Mobile PCのほうは、小型軽量ながら価格帯が10万円からであったため、広く浸透するまで至らなかった。
しかし2007年10月にEee PCが発売されたことで、一部の熱狂的にこういった「安価軽量インターネット端末」を求めていたユーザーらが飛び付いたことから、パソコンメーカー各社も2008年に入ってから次々に同様の方向性を展開、いわゆる「ネットブック」および安価なネット端末パソコンに対して「ネットトップ」という呼称が使われるようになった。2008年9月時点では牽引役となったアジア圏のパソコンメーカーが数多くの商品を開発・投入、人気機種の多くが製造が間に合わず予約待ちが続くなど、乱戦の様相を呈し始めている。
日本ではネットブックとイー・モバイルなどの移動体通信端末およびサービス加入権をセットにして、インセンティブ制度の報奨金を価格値引きに反映させることにより、初期購入価格が安価で買えるというパッケージを家電量販店で発売したことで、ネットブック人気が加速している(ただしネットブックとイー・モバイル端末購入費用は、携帯電話同様に2年間の割賦販売である)。この流れの中で日本の各パソコンメーカーはやや出遅れた形ではあったが、2008年10月から東芝日本電気(NEC)、オンキヨー(SOTECブランド)といった大手メーカーも相次いで参戦を表明しており、先んじる他のアジア圏メーカーないしそれらのOEM/ODM提供(後述)を受けた欧米メーカー製品に比べ高めの価格設定の製品もみられるが、各社共に同市場へそれぞれ自社ブランドのボトムエンド(→ローエンド)に位置付けたネットブックを投入するとしている。

ハードウェアとして

用にWebカメラを備える機種もある(Eee PC)]] 基本的に、小型で安価で一定性能に限定されている。しかし特に携帯性の良いネット端末としてはすでに携帯電話が普及しており、また携帯性を重視した情報機器としては携帯情報端末(PDA)が存在していることから、ネットブックでは「パソコン」としての最低限の機能を備えるものと位置づけられる。現在パソコンのオペレーティングシステム(OS)として事実上の標準の地位を築いているMicrosoft Windowsや、既存の市販されているアプリケーションソフトウェアとの互換性を考慮しなければLinuxなどUNIXオープンソースOSも選択肢に入るが、いずれにしても「パソコンでできること」の最低限の機能を備えるものとして位置づけられている。
インターネットへの接続はブロードバンドインターネット接続を主体とするために、LANのうちイーサネットに標準的に対応するが、無線LANモジュール化により安価に機能を付与できるため、これに対応している機種がほとんどである。この無線LAN接続により、バッテリーを含む電源を接続するだけで、無線LANの利用が可能な範囲にあるネットブックは、その無線LAN接続先のアクセスポイント公衆無線LANであるか認証済みでアクセスを許してさえいれば、すぐさまインターネットに接続可能である。くわえて前述の通り移動体通信としての周辺機器を接続することにより無線アクセスのサービスも利用可能であることから、これらを利用すれば日常生活のあらゆる箇所で、電源さえ確保できればインターネット接続が可能な、またパソコンを使用する作業の最低限度の機能が利用可能である。
なおパソコンとしての互換性を求めるため、CPUにはパソコンのそれと同じか、または互換性を持つものが求められる。この互換性は特にWindowsを動作させる上でx86系列ないしこの互換品が求められる傾向がある。このためCPU製造大手のインテルは携帯機器のネックとなる消費電力をおさえたAtomを市場に投入して、更に同分野で先行するVIA TechnologiesC7-M(2005年発表)またはAMDGeodeなど、そこそこの計算能力を消費電力を抑え、かつ安価で供給されるCPUも登場しており、これらの利用がネットブックの市場拡大に拍車をかけている。またNVIDIAのTegra(→(英)Nvidia Tegra)はまだ実製品が出てきていないが、より低消費電力なARMアーキテクチャを採用してインターネットデバイス市場に投入するとしている。ただしCPUが本体価格を押し上げないためにも、比較的性能面では控えめなものが選択される。また映像出力を補佐するGraphics Processing Unit(GPU)もチップセット統合型GPUを採用するなど、簡易的なものとなっている。
その一方、入力機器を小型機器としてキーボードより汎用性に富むタッチパネルに求めたタブレットPCの方向性は、あまり支持されなかった傾向からキーボードは必須、ポインティングデバイスにタッチパネルやタッチパッドを備え、外付け(USB接続)マウスも利用可能となっている。
メインメモリは小型ノートパソコンの常として多少控えめながらOSが適度に動作できる程度には搭載されている。内蔵記憶装置としては容量がやや控えめながらハードディスクドライブ(HDD)ないしフラッシュメモリ・ソリッドステートドライブ(SSD)を備える機種がある。なおSSD搭載機種ではOSと幾つかのアプリケーションソフトウェアを導入ができる程度の容量しかない。この限られた内蔵記憶装置のフラッシュメモリメモリカードを利用するためのメモリカードリーダーを内蔵とし、これを記憶媒体とするリムーバブルメディアとして利用できる機種も多い。ただそれらを加えても容量的に限定的であるため、後述のUSB接続の記憶装置を外部増設などで利用するユーザーもいる。なおネットトップを含むデスクトップパソコンでは標準的な光学ドライブはネットブックでは簡略化されており、それらドライブの利用は基本的にUSB外部接続とし、リカバリーインストールではこの外部光学ディスクを利用する形態となっている。
周辺機器としては、USB接続で概ねパソコンで利用可能な機器を使えるものとなっているが、計算能力やメモリ容量などマシンリソースが十分に無いと動作しないものは利用することができない。
廉価な機種ではバッテリーの持ち時間が、製品簡略化のため最低限の3ないし4セル程度で2時間ほどしか稼働時間の無い機種も見られるが、それらでは連続稼働時間を延長できる大容量バッテリーを同梱した上位モデルや、その大容量バッテリーを別売りの形で提供する機種も見られる。なおSSD搭載機種ではバッテリー持ち時間が比較的長い製品が主流であるのに対し、ハードディスクドライブ搭載機種ではバッテリー持ち時間がノートパソコン一般と比較して限定的な機種が見られるが、その一部には急速充電に対応するなどしてバッテリー持ち時間の短さをフォローしようという製品も見出せる。
Windows XPを安価なULCPC向けライセンスで搭載する場合、基本的なスペック面では特定の条件が存在するため、CPUの選択肢やメモリ構成などは幾つかの傾向があるが、ハードウェアスペックは概ね横並びの状態である。そのため、各メーカーは差別化戦略に本体デザインや操作性、あるいはサポートの充実などに付加価値を求めて他製品との差別化をはかっている。

オペレーティングシステム

上に述べたとおり、現行のネットブックないしネットトップを動作させるOSとしては、いずれにしてもパソコンとしての機能は最低限求められる部分から、マイクロソフトWindowsないしLinuxなどUNIX系OSなどが挙げられるが、その一方で独自OSないし携帯電話のようなファームウェアによる独自仕様というのは、パソコン一般に対する互換性の面から言っても、既存のモジュール化製品を利用するより開発コストが販売価格を圧迫するなど現実的とはいえない。
Linux系列はライセンス料が掛からず、また全般的に軽量な設計に加え、カスタマイズで求める機能だけを選び、更に軽量化のためのチューンアップが可能という利点があり、X Window Systemなどウィンドウシステムを使用すればインターネットブラウズ端末としての機能を実現できるが、その保守運用で専門知識を必要とすることや、前述の通り市販アプリケーションソフトウェアとの互換性が無いことなどから、コンシューマーユーザーにはハードルの高いものとなっている。ゆえに一般ユーザー向けモデルでは、マイクロソフトWindows系列のOSを搭載した機種が主流である。ただし米国などLinuxユーザーの総数が比較的多く見込める地域では、プリインストールOSにLinux系OSを採用したパッケージもみられる。当然ながら、ハードウェアとしてのネットブックを購入したユーザーが、OEM版マイクロソフトWindowsのライセンスを放棄して、その利用目的や趣味性に沿ってマイクロソフトWindows以外のOSをインストールする場合もあるだろう。この場合においてネットブックは基本的にPC/AT互換機であるため、この種のコンピュータに導入可能なOSは、デバイスドライバの有無や正常な動作が行えるかどうかは別にすると、概ね導入可能である。
なお2008年時点でのMS Windows系統のライセンス提供に絡む有効な選択肢としては、ネットブック/ネットトップなど超低価格PC市場の発生と成長の可能性を見越して、2010年ないし次期Windows発売1年後まで販売期間を延長しULCPC (Ultra Low-Cost Personal Computers・意訳:超廉価版パソコン/超低価格パソコン)向けとしてOEM提供のライセンス料が引き下げられたXP、および現行最新バージョンであるVistaとなっている。
マイクロソフトはWindows XPのULCPC向けライセンスとして以下のような条件を示しており、同社が提唱したタブレットPCや最新機種の市場にバッティングしないようにしている。これについてはスペックが厳しいとの批判があり、条件が緩和されオプションとしてWindows Vista Home Basicとして選択できるようになった。
  • ディスプレイ14.1インチ以下、タッチパネル対応
当初はディスプレイ10.2インチ以下、タッチパネル不可だった
  • メインメモリー1Gバイト以下
  • CPUはAtomなど特定の低速シングルコア製品
  • ハードディスク容量160Gバイト以下/SSD16Gバイト以下
当初はハードディスク容量80Gバイト以下
これを満たす機種に搭載するためなら、ライセンス料は32米ドル(発展途上国向けなら26米ドル)としている。なお、メインメモリーやハードディスク/SSD容量は、ユーザーの手で交換することに関してはライセンスが対応する範疇である。

代表的なメーカーと機種

EeePCを発売したASUSTeK Computerからして、元々はマザーボードなどのパソコン部品の製造と開発によって次第に力を付けてきたハイテク企業ではあるが、エイサーのような後発他社の多くは似たような経緯があり、例外的なヒューレットパッカードの製品にしても中国企業のODM(Original design manufacturer:→OEM#用語の歴史と用法)である。

市場性

同カテゴリーは、新興市場ということもあって市場としては未知数の分野であり、パソコンメーカーとしても予測が外れて注文が殺到、製造が間に合わないといった混乱も聞かれる。ヒューレットパッカードのHP 2133 Mini-Note PC(英:HP 2133 Mini-Note PC)日本発売では2008年6月末に販売を発表するも同日中に販売中止、翌7月に販売を開始するが同日売り切れで更に一部仕様を変更したモデル発売まで販売が延期されるという混乱も発生している。
その一方、米市場調査会社のIDCはネットブックを以下のように定義し、2008年5月にその市場性を調査・発表した。
  • 500ドル未満
  • 7~10インチ程度のディスプレイ
  • サードパーティ製アプリケーションの動作が可能な機能が限定されないOS
  • キーボード搭載
  • ブロードバンドインターネット接続に対応
同社はこれらに該当するネットブックを「メインで使うノートパソコンの補助的な地位を得ている」とみており、その機能はK-8世代(小学生中学生に相当)ユーザーにはメイン機として必要十分だが、ノートパソコン一般に比べると限定的であるため、消費者の多くはもう少し予算を増やしてフル機能・フルサイズのノートパソコンを選択するとしている。また製造側にとっても同種製品は(価格面で頭打ちとなり)利益率が低い側面があるため、買換え需要ではなく「2台目」としての需要に対応することを示唆しており、今後も販売上の課題に直面すると見ている。市場規模予測では、IDCによると2012年まで拡大が予測され、900万台を超えるとみる。ただ、価格は安いために売上高は30億ドルを下回るだろうとしており、その規模はパソコン全体の5%未満で推移すると見ている。

ユーザーの動向

IDCの予測が示しているが、ネットブックはその市場性がパソコン一般・ノートブック一般に比べて限定的であり、機能のミニマムさから来る用途の難しさ(ハードウェア面での制約から処理の重いアプリケーションソフトは動作させにくいなど)もあり、インターネット端末以上のことを求めるのは(多くのネットブックはXP世代のモバイル向けノートPCと比べて見劣りしない性能を備えているため、不可能ではないが)難しい。また昨今増加中の動画サイト閲覧では、動画の種類・品質によって「音割れや音飛び・コマ落ち」などの処理落ちが発生する場合がある。同様に地上デジタルテレビジョン放送チューナーやDVDドライブを接続しての動画再生も不可能ではないが、高性能な機種に比べ見劣りする部分がある。
しかし前述の通り、2008年に登場したこれらネットブックが急速に市場を拡大してヒット商品となったのは、これまでのデスクトップPCやノートPCよりもより小型で持ち運びがしやすいミニノートを欲していたユーザーの存在や、あるいはネット端末としての携帯電話スマートフォンの性能に不満を持っていたユーザー、より安価なPCを欲していたユーザーにとって、ネットブックがとても魅力的な商品に見えたことも関係するだろう。
その一方で、ハッカー文化の一端として「ミニマム性能のコンピュータを最大限に活用する」という傾向があり、これはコンシューマーゲームでLinuxを動作させたり、あるいは携帯情報端末で高度な処理を試みる、またPalmにみる「Zen of Palm」(限られたリソースで最大限の効率を追求する)などにあらわれている。このためネットブックにしてもこういった(いい意味での)ハッカーギークの探究心を甚く刺激するものと見え、技術情報系サイトなどではネットブック活用に対するさまざまな発表も見出せる。
たとえばOSにVistaを搭載するHP 2133にXPをダウングレード導入するといったものから、ハードディスク搭載機種に読み出し書き込み速度の向上を目指してFlash SSDへの置き換えを図るなどといったものである。ソフトウェア面でも、必要な機能を備えながら軽快な動作をするフリーウェアを選択したり、あるいは目的となるソフトウェアを動作させるために不必要となるOS上の機能・動作や常駐するプリインストールアプリケーションソフトウェアをシステム上から取り外しカスタマイズするなどのテクニックも見られる。

商標問題

かつてハンドヘルドコンピュータを販売していたイギリスPSION Teklogix社が自社の商標権を侵害しているとして、一部のファンサイトに対して『Netbook』という用語の使用停止を要求している。

脚注

関連項目

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!--差し替えのためいったん退避: Netbook(ネットブック)は、ネット閲覧などの比較的軽い処理を主な目的にしている小型のノートPCである。
CPUIntel Atom を使用し、OS に Microsoft Windows XP Home を用いるものが多いが、必ずしもこれに限らない。
小型であっても比較的高価格のものは含まず、主に5万円前後で販売されているものを指す。
IntelはAtomを使うローコストデスクトップPCをNettop、ノートPCをNetbookと定義し、上位のPCと区別している。
モバイル用途の使用に適しており、Ultra-Mobile PCと並んでノートPCとPDAとの中間に位置づけられる新しいカテゴリの商品といえる。

背景

元々は Ultra-Mobile PC (マイクロソフトやインテルなどが発表したタブレットPCの規格)に端を発するが、その後、アジア圏などの発展途上国向けの低コストPCのニーズに答える形で、Microsoft がより廉価に Windows XP Home のライセンス提供を始めたことと、同様に Intel も性能よりも製造コストと消費電力にウェイトを置いた CPU "Atom" を開発したため、タブレット型よりもより低価格なミニノートPC型として人気を集めた。
廉価な Windows XP Home や Atom プラットフォームはディスプレイの大きさや解像度、さらにはその他の要因により、使用する対象が制限されており、Netbook誕生の大きな要因になった。
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出典:「フリー百科辞典ウィキペディア」(2009-01-01)
Text is available under GNU Free Documentation License.

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